《MUMEI》
見られて
ジーパンからそっと取り出す。

由自はちゃぶ台の陰で見えないのか、ちゃぶ台を少しずらした。

手でゆるゆると触る。

「ん…っあ…ふ……」

「俊、今……何考えてる?」

「………へ?」

「何考えてヤってんのって聞いてんだよ」

「何って………」

でも手は止まらない。

「ストップ」

手が勝手に止まった。

「あ……由自、」

「まだダメだよ」

亀頭から先走りがあふれ出す。

でも触れなくて、もどかしさに頭がおかしくなりそう。

「ゆ…うじっ!は……っあ」

「ははっいいよー、触っても」

軽い感じに言われて、かなりムッとしたけど、身体の欲求には勝てない。

「あ……っぅん…」

触ってる内に気付いたけど、オレはひとりではイけないんだ。

ど…どうしよう;

「大丈夫?」

「オレのことはいいからっ!」

言ってから後悔。

無駄に意地っ張りな性格が崩壊するのは由自とヤってる時だけだ。

「ふ……っあん…あ」

その時だった。

「……っとゴメン」

由自が消しゴムを落とした。

しかもその消しゴムがオレの脚の間に落ちた。

「あッ」

由自の手がかすめて、それだけでオレは出してしまった。

そのせいで由自にも白濁した液がひっかかった。

それを見て由自はにやっと笑うと、舌で舐めとった。

その仕草を見てオレはまた勃った。

「イっちゃった?」

「う…うん」

由自のおかげで、とはやはり言えず。

「じゃあ次からはオレの言う通りにして」

「え?」

「もしかしてこれだけで終わるつもり?どうせだし全部ヤっとけば」

「で、でも」

「ホラ、手に吐き出したんだろ?もったいないからそれ使え。な?」

右手を拭こうとしていたら、由自にそう言われてびっくりした。

オレが戸惑っていることに気付いたのか、由自は細かく指示を出してくれた。

「もっとジーパン下げて、膝も曲げて。……じゃあ指、入れて」

「え!?」

「大丈夫。できるよ。オレがいつもやってるから」

「ん………」

後ろの方に変な圧迫感を感じた。

指がぬめってるせいか、結構スムーズに入ってく。

「入った?んじゃ、ちょっとだけ抜いて」

言われた通りにした。

ちょっとだけってどれくらいかわからないけど。

「その指をお腹の方に曲げてみろよ」

「ん……っ何?あ………ッやぁ…っあ――…ん」

「そこ、前立腺♪」

自分の身体を自分でやってるのに、思い通りにできなくて爪でひっかいたり、強く押してしまったりしてしまう。

違う、違う!!

「あ……やッん……っふ」

「……俊?」

頭がまわらなくて、指を早く抜いてしまいたいのにそれがうまくできない。

逆に深く差し込んでしまって……

「俊、大丈夫か?」

「ゆ……じッあ、ああ………んッ!!」

「俊っ!!」

「ん……っ」

オレはまた白濁を吐き出し、そのまま気を失った。

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