《MUMEI》
俊の自慰
(由自side)

俊がジーパンに手をかけた。

恥ずかしいんだろうか、動きがちょっと鈍い。

ズルリと俊の高ぶったものが頭を出した。

よく見えなくて、オレはちゃぶ台をずらした。

俊がそっと触り出す。

その慣れない感じがオレを刺激したけど、ここは我慢だ。

「ん…っあ…ふ……」

普通、自慰をする時ってAVとかエロ本を使うけど、今の俊の頭の中は何があるんだろう。

「俊、今…何考えてる?」

「…………へ?」

「何考えてヤってんのって聞いてんだよ」

「何って………」

俊が口ごもる。

意地っ張りの俊のことだから、多分オレのことだ。

俊の腰が揺れてる。

「ストップ」

触ってた手を止めた。

面白いように言うことを聞く俊の身体。

今まで開発してきたかいがあるってもんだ。

「あ…由自、」

「まだダメだよ」

俊のそれから先走りがあふれ出してきた。

「ゆ…うじっ!は……ッあ」

俊の苦しむ顔ってすっごいそそるんだよな〜。

あんまり見せられるとオレがヤバくなる。

「ははっいいよー、触っても」

やっとお許しが出て、俊はまた動きを再開した。

「あ……っぅん…」

ほんの一瞬、俊の顔に焦りが見えた。

……そっか、俊の身体はオレによって開発されてるんだった。

ひとりじゃイけないようになってるはず。

それに俊は気付いたのか。

オレはわざと肘でちゃぶ台の上の消しゴムをつっついた。

それはうまい具合に俊の脚の間にぽとりと落ちた。

「あッ」

消しゴムを取る時、俊のそれに手が触れた。



――ピッ



俊は慌てて手で抑えたけど、勢いよくてオレの手にもひっかかった。

作戦成功。

やっぱりオレ無しじゃ俊はイけない身体なんだ。

にやっと笑って舐めて見せた。

俊のそれがまた勃つ。

「イっちゃった?」

「う…うん」

「じゃあ次からはオレの言う通りにして」

「え?」

なんで?と言う顔した俊はかわいい。

「もしかしてこれだけで終わるつもり?どうせだし全部ヤっとけば?」

「で、でも」

「ホラ、手に吐き出したんだろ?もったいないからそれ使え。な?」

右手を拭こうとティッシュを掴んでいた手を離した。

でもどうしたらいいのかわからないらしく、とても戸惑っている。

「もっとジーパン下げて、膝も曲げて。……じゃあ指、入れて」

「え!?」

不安そうな俊を安心させるためには。

一、適当なアドバイスをする

「大丈夫。できるよ。オレがいつもやってるから」

「ん…………」

やっぱり快感で頭がうまくまわってない。

俊は言う通りにした。

「入った?んじゃ、ちょっとだけ抜いて」

俊はちょっとって言葉がどれだけのものかわからないらしく、首を少しだけ傾げた。

「その指をお腹の方に曲げてみろよ」

とろんとしていた目が急に見開いた。

「ん……っ何?あ………ッやあ…っあ――…ん」

「そこ、前立腺♪」

好きな人の身体ならもう完璧に把握してるオレ。

「あ……やッん……っふ」

「……俊?」

俊はどうにかしてその快感から逃れようとしているようだった。

ひとりでよがっていることに羞恥心が湧いたのだろう。

でもうまくまわらない頭はどうしたら指が抜けるのか、わからない状態にまできているらしい。

「俊、大丈夫か?」

「ゆ……じッあ、ああ………んッ!!」

「俊!!」

俊がぴくっと目を見開く。

とろんと目が快感に飲まれるようになり、そのまま……。

「ん………っ」

白濁した液を出して、俊は意識を飛ばした。

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