《MUMEI》

「…あ、でさ、本題なんだけど」



いきなり椎名くんが言って、携帯を取り出した。




「これ見て」




携帯を受け取って、画面を見てみる。



「ネコの、写真…??」


「そ。…そん中に、お前の助けたネコ、いないか??」


「えっと…ちょっと待ってね」



慌てて確認する。


4匹ぐらいの白猫…



「うーん…全部、違うような…」



私が言うと、



「そっか…」



と、椎名くんは肩を落とした。



「…なんで、ネコ??」



私が訊ねると、



「や、ネコがちょっとでも関係してたら、
戻る方法見つかるかもー…って思ってさ」



携帯をポケットにしまいながら、椎名くんが呟く。



「…もう、金曜日だろ」



―…そうか。



もう金曜日なんだ。



「…私も、ネコ探してみるよ!!」



…そうだもっと


もっと、焦らなくちゃ






…もう、金曜日なんだ。

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