《MUMEI》

「でも捨てられたとは限らないじゃないのか。」


『勳羅さんに塁羅を預けたとか。』


「僕、勳羅に聞いたんです。でも勳羅はニコニコして答えてはくれませんでした。」


「勳羅さんの心を魔法で読めないのか?」


「そんなこと出来ませんよ。もしそんなこと出来るんだったらとっくに使っていますよ。」


『それもそうだよな。』


塁羅はポケットから懐中時計を出し開いた。

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