《MUMEI》 進路決定?「じゃあ、祐也はずっと気付かない演技をしていた…と?」 (何故、呼び捨て?) 疑問に思いながらも、俺は頷いた。 「ふ〜ん…」 (な、何だ!?) マジマシと見つめる果穂さんに、俺はタジタジだった。 「英語が出来て、大人が騙される演技が出来て、見た目も良くて、成績もいい。 それに、祐に負けてないところがいいわね。 ちなみに、祐也は他に何が出来るの?」 「何?」 意味がわからなくて、俺は首を傾げた。 「例えば、空手とか…」 「あ、祐也は強いよお祖母ちゃん!」 祐が叫んだ。 「他は? 英語が出来るのはわかったけど、他に喋れる?」 (え〜と…) 俺は、旦那様に教わった事を思い出していた。 「ポルトガル語と、イタリア語と、フランス語と、ドイツ語と、あと…韓国語と、中国語…と、ロシア語?」 どよめきが起こった。 ガシッ! 「…卒業したら、うちに来なさい」 「高卒、で?」 「それだけできたら十分だから! 即戦力だから! それで、いずれは祐の片腕になって!ね? 決定!」 いくら俺が旦那様の自殺の件を話したといっても、この豹変は無いだろうと思った。 前へ |次へ |
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