《MUMEI》
うんざり
この世で俺を、うんざりさせないもの。
音楽、小説、猫、風景。
女性は頭痛の種で、男は吐き気の種だ。
キーキーと確信の無い、彼女にとってだけの真実を、喚く彼女の鼻っ面に一発入れたい。
そう、思いながら毎日女性に微笑んでみては、失敗したなと思う。
偉そうにふんぞりかえって、ご自分にとってだけの、真理をとくとくと説いて下さる彼を無視したい衝動を抑えて、
毎日、友達面した彼らに微笑んでみては、あぁまたかと思う。

懲りない自分にうんざりした。

娼婦は、偉い。
娼婦は、語らない。真理を知っているから、自分に有利になるよう事を進めて、後はつんとお澄まししている。
彼女達は、頭が良い。知的とは思えないけれど。

彼女達は時に、聖母のようになって人の涙を拭ってあげて、後はつんと澄まして良い暮らしをしている。

娼婦は、偉い。

少なくとも、退屈で頭痛を増やす、世の中の金切り声製造機達よりは。

うんざりで悲しい此処は

異人館。

遣ってられないよ。

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