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《MUMEI》 思いやや､強めのブレーキでアウト､イン､インのラインを狙う。 そして､アクセルワークのみで左コーナーに切り込む。 すると､クリップから立ち上がりまでの最速ラインが開ける。 このラインに乗せる事が出来れば､ヘアピンへの進入速度が各段に上がる。 （お前にも気付いて欲しい。 このラインを…） あいつは､初めてのラインに躊躇したのだろう。 俺のラインに上手く乗せられず､ヘアピンまでの短いストレートで､少し距離が開いてしまった。 （やっぱり一回じゃ無理か…） そこから､あいつは追い付こうと必死で食い付いてくる。 その後も俺は､あいつに解るよう､最速ラインを攻め込んだ。 （伝われ!! そして､速くなれ!! これが､俺の目一杯の愛情表現だ!!） その思いが伝わったのか､あいつも俺のラインを正確にトレースしてくる。 その後､時間が経つのも忘れる程に『コース』を攻め続けた。 前へ |次へ |
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