《MUMEI》
「父さん、聞きだいことがあるんだけど」
家に帰った周哉は、リビングで酒を飲んでいた直人に話しかけた。
「ん?何だ?」
直人の前には、すでに缶ビールの空き缶が2・3本転がっている。
その為か、直人は少し機嫌が良い。
空き缶を捨てながら、周哉は言った。
「さっき、街で弥生さんに会ったんだ」
そういうと、直人は、
「知ってるぞ」
と答えた。
「え、何で?」
「お前が帰ってくる前、弥生さんから電話がかかってきたんだ」
「何だ、そういうことか」
「で、聞きたい事があったんじゃないのか」
直人は、新しい缶ビールをあけながら、話しを戻してきた。
「あぁ、そうそう。弥生さんって何歳なんだよ?見た目若すぎない?」
そう周哉が質問すると、
「え〜と、確か34歳だったと思うぞ」
と直人が返してきた。
いきなり爆弾発言である。
「はぁ!?34?俺と同い年の子供がいるんだろ?」
「学生結婚なんだってさ。17で結婚して18で子供産んだんだって」
「はぁ〜〜〜〜」
人生って深いんだな〜、と思う周哉だった。
「まぁ、信じられないなら、明日の夜に直接聞けよ」
そう言って直人はまた新しい缶ビールをあけた。
前へ
|次へ
作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
ケータイ小説サイト!
(C)無銘文庫