《MUMEI》

「あーあ、また変な噂が立つよ。」


「フッ、噂じゃなくて、真実だろ。」


「っな、てめぇ!!」


蓮翔ちゃんが拳を振り上げる。


勿論冗談だ。


顔が笑っている。


しかし、俺は一向に増えて行く様な嫌な視線を感じていた。


蓮翔ちゃんもそんな俺の様子に気付いたのだろう。

「ああ、アレ、お前のファンクラブらしいぜ。」

蓮翔ちゃんが嫌な視線の正体を指差した。


「あ、そう……。」





………いや、まてまて……


「は?今なんつった!??」


「だから颯ちゃんのファンクラブだって。」


蓮翔ちゃんの顔が意地悪な表情を帯びている。


「そういや颯ちゃん、昔っから自覚無かったもんな。」


「は?何で……」


「家に帰って鏡に映った自分をよーく見てみろよ。」


「…!?何が言いたいんだ?」


「あーもうだからー」


蓮翔ちゃんが一息つく。


「くっきりとした目、細い鼻、少し厚みのある唇、綺麗にセットされた頭、キリッとした輪郭……」


ここでまたもや一息つく。


ーそしてーー……


「こんな全てのパーツが整った奴、モテて当然だろ!!」


凄い剣幕で捲し立てられた。

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