《MUMEI》

だが、そんなドラミの笑みを―…



「――…ですが……」


…ニアは否定文に使う前置きで打ち消した。



「………?」



「…貴女の話には、まだ疑問符が残ります…。」



ドラミはまた表情を曇らせる。



100%と言い切れない僅かな疑問―――…


それが残り1%の不安材料となって、ニアの中で引っかかっていたのだろう。



「まずは、その疑問を一つずつ解決していきましょう。

…より100%に近づけるために…。」



ニアは、テーブルの上に置かれたチェス盤に視線を落とす…。



その上には白いナイトとクイーンが、黒いキングを詰まそうかという局面に配置されていた。

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