《MUMEI》

「……えーと、まて…今頭の整理が…。」


「プッ…っつつーー」


俺の顔がそんなにおかしかったのか、蓮翔ちゃんがたまらず吹き出した。


「笑うツボ絶対おかしいだろ!!」


「ク……っハハッ!!誰だってあんな顔見たら笑うって!!」


「そうか?そんなに変な……」


「あ゛ーーー!!!」


蓮翔ちゃんがいきなり席を立った。


「今度はなんだよ…。」

半端呆れ気味に言うと、

「颯ちゃんに大事なこと言うの忘れてたっ!!」

興奮して俺の箸を取り上げた。


そして、俺の両手を掴む。


「っなんだよ、気持ちわりぃなぁ!!」


「お願い!!今週の日曜開けといて!!!」


「!??…何?」


「今週の日曜、試合があるんだ!!」


蓮翔ちゃんの瞳が一層輝いた。


ああ、そう言うことか。

「つまり、応援来てくれと?」


「さっすが颯ちゃん!!分かってんじゃ〜ん!」

「……無理。」


「え?何で!??」


途端に蓮翔ちゃんの顔が曇る。


「忘れてたのか?俺が来れない理由。」


その言葉を聞くと、蓮翔ちゃんはハッとした様に顔をこわ張らせた。

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