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《MUMEI》 祐の気持ち「ちなみに、やっぱり二股かけてるヤツは…だめ?」 「いや、別に公私混同しなければ、上司として問題ない、けど…」 (そうだ) 俺は、ついでに祐に確認する事にした。 「お前さ、安藤先輩の事、ちゃんと好きだよな?」 「好きだよ。何? 今更」 あまりにあっさり言うから、俺はかえって不安になった。 「もし、安藤先輩が他の人が好きだって言ったら?」 「それは…本人がそう言うなら、本人の意志を尊重するよ」 祐の答えは、安藤先輩の予想通りだった。 「葛西先輩だったら?」 「雅樹はありえない」 祐の答えに、俺は驚いた。 「わからないだろ、葛西先輩だって…」 「だって、雅樹は俺を愛してるし。あいつを受け入れてやれるのは俺だけだし」 (そりゃ、ゲイを受け入れてくれる人なんて少ないけどさ…) 俺は、葛西先輩に対する祐の態度は、安藤先輩に対する態度とは明らかに違い過ぎて戸惑っていた。 「じゃあさ、…もし、俺が葛西先輩好きだって言ったらどうする?」 試してみたくなり、訊いてみた。 「祐也には忍さんが…」 「遠距離だし、この先も一生続くかはわからない。 葛西先輩は、…いい人だし」 前へ |次へ |
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