《MUMEI》 俺はその日、 ワクワクしていた。 ある一枚の紙切れを片手に。 『プレイっ!!』 審判の掛け声を合図に、 試合が開始された。 マウンドに視線を写すと…… 自分に紙切れを渡していった、 友達の姿があった。 友達の姿は同じ同年代とは思えないくらい、 凄くって、凛々しくて、 そしてなにより、 かっこよかった。 俺は無我夢中で友達を応援した。 友達も俺の声に答える様に活躍し続けた。 だが、この時の俺はあまりに夢中になりすぎて、 周りをよく見て無かった。 俺に対する、複数の視線に……。 前へ |次へ |
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