《MUMEI》

「なあ、チビ、

誰の応援してるんだ?」
いかにも柄悪そうな二人組の男が俺に近付いてきた。

たぶん中学生ぐらいだろう。

「なあ、聞いてる?」

俺はこの言葉にも無視して友達の応援をし続けた。

「舐めてんのかてめぇ!!」

1人の男が俺の頭を掴んだ。

「アイツの応援してんじゃねーよ。」

頭を掴んでいないもう一人の男が俺の顔をのぞき込む。

「どうして……」

「決まってんだろ。

ムカつくんだよ!!」

頭を掴んだ手が一層強くなる。


その言葉にピンときた。
「もしかして、投手の座を奪われたとか?」


2人して一斉に顔がこわ張る。

「フッ、図星か。」

「舐めてんじゃねーよ、このマセガキがっ!!」
その言葉と同時に身体が浮いた様な感覚に陥った。

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