《MUMEI》

「…ぅぐあぁぁ!!!」

俺の身体が鈍い音を立てた。









意識が薄れて行く中、誰かの泣き叫ぶ様な声が聞こえた。


「おぃ、さすがにヤバくないか?」


二人組の男の足音が驚くほど早く遠ざかって行く。



俺の意識はこの時から途切れた………









「……ん……」

目をうっすらと開けると、

心配そうな面持ちの友達の顔があった。

「気が付いたかっ颯ちゃん!!」

途端に友達の目から涙がボロボロとこぼれ出す。

どうやらあの後病院に運ばれたらしい。

「…っく…ごめ…ごめんな…グスっ…俺のせいで……。」

友達の目からは次から次へと涙がこぼれ落ちる。

「…お前のせいじゃねぇよ。」

身体を起こそうとすると、

「グ………」

鋭い痛みが走った。


医者によると、

頭は打撲を負い、肋骨は二本折れていた。


そして……

右足首の骨折。


俺はなにより、足の怪我をしたことに恐怖を覚えた。


これから起こることを想像して……

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