《MUMEI》

ボンっと音と共に、またしても鍍蓑が登場した。


鍍蓑は少しだけ泣いていた。


「どうしよう、僕…塁羅君に嫌われちゃったかな。」


「「そんくらいで、嫌ったりしねぇよ。鍍蓑、ちょっと俺入ってくるぞ。」」


「えっ?誰に?」


「「沢折塁羅だ。」」


「慧漣君っ!?」


鍍蓑が慧漣君って呼んだ時には、もうすでに慧漣は塁羅の頭の中に入っていた。

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