《MUMEI》
元旦
そうして、俺はそのままお洒落な外観の一軒家に住む津田家の方々と新年を迎えてしまった。


「私、友達とお揃いってやってみたかったのよね」


(それは、普通女友達の場合じゃあ…)


口に出して抗議したかったが、せっかく直った志貴の機嫌を損ねるのがこわくて俺は黙っていた。


「志貴の女友達は、引き立て役になりたくないからって嫌がるからね」


(なるほど)


貴子さんの言葉に、俺は納得した。


「しかし、祐也君似合うね〜

…振袖」


(嬉しくない)


龍平さんの言葉には納得したく無かった。


俺は、貴子さんに、志貴と同じ色と柄の着物とヘアメイクを施されていた。


「やっぱり女の子は何人いてもいいわね〜、龍平、もう一人作れば良かったわね」

「志貴と君だけで十分だよ」

「うわ、ラブラブは蝶子さんと俊彦さんだけにしてよ!」

「何で、そこで、その二人?」

「だって、志穂さんが、今蝶子さん四人目妊娠中だって教えてくれたから」

「何で志穂さん?」


俺は、さっきから質問ばかりだった。


そして、蝶子さんと志穂さんが偶然夏に会っていて、お互い年賀状を送っていた事を知った。

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