《MUMEI》
天岩戸
 日の女神アマテラスオオミカミが治めていた神の国、高天原へアマテラスの弟であるスサノオノミコトがよろいを着てやってきました。
死んだ母のいる根の国へ行くあいさつにきたのです。
アマテラスはスサノオが戦いにきたのだと思い、その覚悟で待ちかまえていました。

 二人は話し合って高天原で戦わないと誓い、おたがいに交換した持ちものから神を生んで仲直りをしました。

 しかしスサノオはそれを守りませんでした。スサノオはまが玉から男の神を五人、アマテラスは剣から三人の女神を生んだことからスサノオはアマテラスに勝ったと思い、暴れはじめたのです。

 牛を殺したスサノオははたおりをしていた女神へ牛の皮をはいで投げ入れました。はたおりをしていた女神は驚いて死んでしまいます。

 スサノオが暴れていたことをかばい続けていたアマテラスでしたが、とうとう天岩戸というどうくつへ隠れてしまいます。

 アマテラスが天岩戸に隠れてしまわれたので世の中にはまがまがしいよくないもの達があふれて“混沌”としてしまいました。

 困り果てた八百万の神達はアマテラスをどうにかして外に出すために話し合いました。そして、天岩戸の前で祭をはじめたのです。

 アマテラスは自分が隠れているのに祭をはじめたので不思議に思い、聞きました。
「なにをそんなにめでたいことか。」
八百万の神達は言いました。
「あなたよりもすばらしい日の神様があらわれたのです。」

 驚いたアマテラスは天岩戸からでてきます。アマテラスを引っ張り出して岩戸になわをくくりつけ、入れないようにしてふたたび世の中に日の光がもどりました。

 そしてスサノオは体をきれいにされて根の国へと旅立ち、アマテラスは二度とこのようなことはしないと誓い高天原を治めました。

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