《MUMEI》
▽
「ベッド使うのまずくないかな…」
「大丈夫だろ、アイツなら気がつかねーって…」
さっきまで泣いてたくせに落ちつくとベッドに引っ張り込まれた。
シャツを脱がされ、お互いの素肌が露骨に触れあう。
そして二の腕を抑えつけられ、もう片方はギュッと手を握られて…。
いつもの慣れた動きの深いキスに俺が呼吸を乱し始めると、大きな手で胸を撫でられた。
「ぁ…、はぁ…あんまり、時間ないよ…」
「分かってる、でも惇を感じたい、欲しい…」
焦らす事もなく全裸にされ、脚を開かされる。
指先に何度も唾液を絡め、隆志は俺の身体を慣れた手つきで解してくる。
俺はシーツを握りしめたまま素直に声をあげた。
「…惇、俺だけ見て…」
ゆっくりと身体を繋げながら隆志は切なそうに吐いた。
「惇、愛してる」
「惇、愛してるよ」
俺は隆志の背中の傷を避け、想いに答えるかの様にしがみついた。
ー俺は…
前へ
|次へ
作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ
携帯小説の
(C)無銘文庫