《MUMEI》





「ベッド使うのまずくないかな…」





「大丈夫だろ、アイツなら気がつかねーって…」




さっきまで泣いてたくせに落ちつくとベッドに引っ張り込まれた。





シャツを脱がされ、お互いの素肌が露骨に触れあう。






そして二の腕を抑えつけられ、もう片方はギュッと手を握られて…。




いつもの慣れた動きの深いキスに俺が呼吸を乱し始めると、大きな手で胸を撫でられた。






「ぁ…、はぁ…あんまり、時間ないよ…」




「分かってる、でも惇を感じたい、欲しい…」





焦らす事もなく全裸にされ、脚を開かされる。

指先に何度も唾液を絡め、隆志は俺の身体を慣れた手つきで解してくる。




俺はシーツを握りしめたまま素直に声をあげた。

「…惇、俺だけ見て…」




ゆっくりと身体を繋げながら隆志は切なそうに吐いた。

「惇、愛してる」






「惇、愛してるよ」






俺は隆志の背中の傷を避け、想いに答えるかの様にしがみついた。










ー俺は…

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