《MUMEI》

「黒田くん。」


「はい?」


「ちょっといい?」


「大丈夫すけど?」


勉強会の最中、


安本さんが僕を呼ぶ。


なんだろ?


「実はさっき西条高校の顧問の方から連絡があってね。」


「はぁ?」


西条…


あの女監督のとこか。


「練習試合の申し込みがあったんだ。」


…あの女、


早くもリベンジに来たのか?


「いいんじゃないすか。」


「それが結構急で、


G・Wの最終日ってことなんだが…」


「…」


G・W最終日はさすがに休みにしようと思ってたんだけど…


けど合宿中6対6ができなかったからな…





許せ。


「受けましょう。」


「え?でも、最終日は…」


「いいす。


合宿のくくりを勝ちで閉めましょう。」


「…わかった。」


西条高校。


市民体初戦敗退のチームが僕たちと試合か…


ある程度のレベルには仕上げてくるんだろうな…

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