《MUMEI》

「……千秋さん、今、人影が……」

空き家になっている屋上から人の影が見えた。
私達は行ってみることにする。


「鍵が空いてる」

千秋さんは一人でどんどん中へ行ってしまう。


「千秋さん?」

備え付けの懐中電灯を見付けて階段の足音を頼りに二階に上がった。


「モモ!早く!」

千秋さんは屋上まで上っていた。
椅子が二脚置いてある。


「内側から鍵が掛かっていますね」


「俺一人じゃ開けられないから」

……つまり、投げ付けて扉を壊せと?


「……出来るよな?」

千秋さんに使われている感が否めないが此処は仕方ない。


「……離れて下さい!」

椅子を振り上げる。

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