《MUMEI》
二人に連絡
俺は結局、相手に直接訊いてみる事にした。


(とりあえず、忍にも訊いとくか)


先に忍に連絡をとった。


ちなみに、忍がくれたのは、ごく普通の干支が書かれた年賀状だった。


《それでいいから送れ。普通は、年賀状は元旦に届くように送るものだ》

「もしかして、…待ってたり」

《いいから送れ》


ブツッ ツー ツー ツー


(…怒らせたな)


すぐに出すべきだろうが、俺は次に、年賀状にあった葉月さんの携帯番号を押した。


《はい》

「あ、あけましておめでとうございます。田中ですけど…」

《祐也君? どうしたの?》
「え、と… 年賀状の事で、相談が…」

《何? 美緒が撮った写真気に入らなかった?》

「え!? あれを美緒さんが!?」


葉月さんの年賀状にプリントアウトされた写真は、美しい日の出の写真だった。

《美緒は風景のプロだから。 俺の専門は動植物だけどね、あ、人間は別》

「カメラマンだったんですか…」


驚いたが、俺は同時に納得する部分もあった。


普通に働いていたら、いくら春日さんに会いたくてもあんなにしょっちゅう北海道からここまではこれないから。

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