《MUMEI》

「あ…で、日曜はどうなるんだ?」


「ああ、いつもは一日中練習だけど、
記録会の疲れを取るために……確か午前練だったかな。」


「えっマジで!?」


「ああ、すまん。」


「ぃヤッホぅー!!」


蓮翔が拳を高く突き上げた。


「!?????……あの、何か勘違いしてないか??」


「へ?」


「俺、行けないって言ったんだけど。」


「え?だって午前練だけで、あとはヒマになるんだろ?」


「ああ。」


「俺、試合一時開始だから大丈夫じゃん。」


「へぇ………え!!」


「っへへ!今すぐグランド行って練習しないと!!
颯ちゃんの前ではカッコイイとこ魅せなきゃ!!」


「え?あ、ちょっと……まだ行くって決めた訳じゃ……」






あーあ………


気付けば蓮翔の背中が遠くにあった。

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