《MUMEI》

「ありえね〜…」


「さっすがに俺もこれは…」


(桜井が疲れ切ってるとこ見るのは合宿の時だけだ。


とかいう俺はもっと死んでるけど…)


「明日で終わりかぁ〜。」


「長かったな…」


「ホントに…」


(とりあえず明日には帰れる。


何試合もこなしてわかったことは、


今年も優勝は俺たちってこと。


桜井と二ノ宮はその舞台を経験してるからいいけど、


俺はまだだ。


市民体とはレベルが違う。


俺も力になれるように、


もっと強くならね〜とな…)


チームによって、


当然練習のメニューは違う。


環境のいいチームばかりじゃないし、


体育館では練習できず、


外での練習がメインとなるチームだってある。


聖龍高校は、


強豪ということもあり、比較的恵まれた環境で練習ができている。


しかしその練習内容は他のチームとはまるで違う、


厳しいものとなっていた。


(正直言って、


逃げ出したくなるような練習内容だけど…


他の高校に行けばもっと楽なメニューだったんだろうけど…


それでも俺はここまで来た。


ここまで来たら、


後は結果を残すだけだ。)

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