《MUMEI》

「……モモ様、お体はまだ辛いですか?」

三回ノックが聞こえて、目が覚める。
全てが夢の出来事のようだった。
僅かに痛む下腹に揺れ動く異物が現実である証明になる。


「もう、大丈夫です……。」

食べなきゃ、生きられない。償えない。





「あのすいませんが食事以外に持ってきて欲しいものが……」

耳打ちすると深く詮索もせず、快く引き受けてくれる。
ピアスホールの消毒液が朝食と共に運ばれて来た。

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