《MUMEI》

折角の豪華な食事も何となく気まずい雰囲気。

おいしそうなケーキも手をつけちゃいけないピリピリした空気。
貢は溜め息ばかりついて、ほとんど無表情。

「貢、分かってんだろ?俺が好きなのは貢だって、今更誠に告られたって俺、
あいつに気持ち行く事ないし」

「分かってる!そんな事じゃなくてえ!あ〜もう!最悪だ…、だってあいつ昔から聖んとこ泊まりに来てた訳だろ?
もしかしたら寝てる間にキスしたかもしんない、それに聖の中学生時代の幼い裸もみた事ある訳だろ?あ〜もう羨ましい、もしかしたら毛の生えてない時まで知っているのかと思うと…〜〜はあああ、駄目だ、羨ましい、聖ちゃんの幼い身体、今も幼いけど今より幼くて…」

バコッ!!

「い、いたい!聖ちゃ〜ん…」

「お、幼い言うなぁ!き、気にしてるのにぃ!!めっちゃ気にしてんだからな!!」


酷い!心配して、気ぃ使って損した!!

俺はホールのケーキを自分に引き寄せて豪快にかぶりついた。



会計を済ませると貢は俺の腕を掴みそそくさと店を出た。
必死な仕草がなんだかおかしくてちょっと笑っちゃったら
笑い事じゃないって小さく言って。

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