《MUMEI》
微妙な時期の年賀状
(どうするかな、これ)


冬休みも残り少なくなっても、まだ微妙に年賀状は来ていた。


『ファンクラブは早い者勝ち』と志貴が言っていたから、会員番号の付いた年賀状は無視した。


(つーか、こいつら、いつの間に)


その中には、守と祐の年賀状もあった。


しかも、守が会員番号15に対して、祐は一番だった。

祐は、安藤先輩の件で忙しくて年賀状を忘れていたと、言い訳していたが


あいにく、俺の手元には振袖年賀状は残っていなかった。


(守は元旦に会ったし、真司のとこはばあちゃん亡くなったから出せないし…

後の問題はこれだな)


俺は


ファンクラブ会員ではない高山の年賀状を見つめた。

俺は高山に、ここの住所を教えていなかった。


(わざわざ、出しに来たんだよな)


高山の年賀状には消印が無かった。


高山はわざわざアパートまで来たらしい。


今日、俺が買い物から帰ると、これがポストに入っていたのだ。


(メールで済ませたくても、番号知らないし、今の時期、年賀状バラ売りしてないんだよなあ…)


それに、今から出しても遅すぎる気がした。


(う〜ん。…そんなに遠く無いし、行ってみるかな?)

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