《MUMEI》 グループ分け(せっかく電車乗れると思ったのになあ) 俺はガッカリしながら駅員に事情を説明し、切符代を払い戻してもらい、改札口を通った。 「せっかくだから、三つに分かれようぜ。 で、いつものラーメン屋で集合、な?」 そう言って祐が提案した三つとは 仲村さんと屋代さんと志穂さん 希先輩と高山 そして、祐と俺だった。 「別に、いいけど…」×5 祐以外の五人が俺を見つめた。 「別にいいですよ、こいつとは友達だし」 (それに、本命もわかってるし) 二人きりでも問題無いと思った。 「ねぇ、田中君」 「何だよ、高山」 高山が祐の提案に反論するとは思えなかった。 「俺達、…何?」 「中学の同級生だろ?」 (今更何言ってんだか) そう思って答えたのに、高山は何故かガッカリした顔をした。 「なぁ、祐也? 希は?」 「高校の先輩」 (何だよさっきから) 祐も高山も、当たり前の事を訊くから俺は意味がわからなかった。 「大人組と子供組に分かれた方が良さそうね」 (は? 何で?) 俺は驚いたが、そんな志穂さんの提案に、誰も反論しなかった。 前へ |次へ |
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