《MUMEI》

「分かった。」


ドクン……ドクン…


木村が神妙な面持ちで俺の目をみる。


「次にトップスピードに入った時だな。
……スピードは良かったが、
少し力み過ぎてないか?」


ドクン……ドクン…ドクン


「うーん、そういや、
たまに肩が痛くなるな。」


「だろうな。
腕がきちんと振れていない。
お前はその筋肉に頼り過ぎている。」


「どうすりゃいいんだ?!」


「大袈裟に言うと、肩で振る感じだな。」


「肩で!?」


不思議そうに自分の肩を見つめている。


ドクン…ドクン…ドクンドクン


「ああ、ひじは固定して、
肘が腰を通過した時に反動で足を前に出すんだ。

まあ、振子の動きに似ているな。」


「ふーん……」


「それが出来なかったから、
お前はトップスピードからフィニッシュまでの動作が鈍ったんだ。」


ドクンドクンドクンドクン


「はあーー、なるほどな」

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