《MUMEI》
改めて友達に
「でさ、何でこの四人で団体行動なわけ?」

「そ、それは…」


高山は、何故か照れていた。


「俺から言ってやろうか?」

「ダメよ、柊君頑張って」

希先輩の一言で、高山は重い口を開いた。


「俺、田中君は、元同級生じゃなくて…友達だと思ってるんだ。

だから、田中君がそう思ってないって知って寂しかったんだ。

それに、俺も、皆みたいに祐也って呼びたいんだ!

俺の事も柊でいいから!!
ちゃんと友達になろう!!!」


「「お前、声デカ過ぎ」」


俺は祐と一緒にツッコミを入れた。


「あ、ごめ…」

「ねぇ、そういえば、田中君は何で柊君に会いに行こうとしたの?」

「へ? それは…」


俺は、希先輩の急な質問に戸惑いながらも、説明した。


「それって普通、ただの同級生にはしないぞ」


祐が呆れたように言って、希先輩が頷いた。


どうやら、俺の中で高山は

柊は


無意識に友達になっていたらしい。


「やった、俺、祐也みたいに俺を特別扱いしない普通の友達欲しかったんだ」


柊は笑顔で冷めてしまったコーヒーを美味しそうに飲み干した。

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