《MUMEI》

「次、滝澤颯馬。
準備。」


「はい。」


俺は、この競技場で審判を勤めているであろう、
黄色いジャージを着ているおじさんに頭を下げた。


そして、走り幅跳びの助走の位置へと付く。


前方には砂場があり、
その砂場を遮るようにして赤い旗が掲げてある。

これはまだ跳ぶな、と言う合図だ。


俺はジャンプをしたり、太ももを叩いたりして自分を落ち着かせる。


前方に見える旗が赤から白に変わり、
大きく縦に振られた。


これは跳んで良い、と言う合図。


その合図とともに、
皆の視線がグッと集まったのを感じた。


緊迫した空気の中、


俺は走り出した。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫