《MUMEI》

「…アナタがいなければ、私はきっとキラに辿り着けなかったわ…。


…お礼を言わせて…。」



ドラミは動かない右手の代わりに、左のペタンハンドを差し出す…。



「…………。」


だがニアは、その手を握り返そうとはしなかった。



首を傾げるドラミ――…。



「…その手を握るのは、キラに勝ってからにしましょう。」



「―――……………………


…………………そうね…。」


ドラミはクスッと笑うと、少し照れたように手を引っ込める…。



ニアも照れ隠しだろうか、部屋の真ん中にドカリと据え置かれた『どこでもドア』に視線を移したままだった…。

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