《MUMEI》
俺の苦悩と大悟の苦悩
「悩み?」

学校の玄関で靴を脱ぎながら話す。

「…大悟は…好きな人と別れた後、どうする?」
「あぁ…そうだな…」

教室に行き、自分の席に行く。


「俺は決着を着けるかな」
「勝負してるんじゃないんだぞ?」

俺は笑ってしまった。しかし、当の本人は本気のようだ。

「おいおい、恋と戦いはなんとなく似てると思うんだよな…」
「ハハハ!本気かよ?」
「俺は本気だぜ」

真剣に答えるから、少し吹き出しそうになった。

「大悟!紀和!おはよう!」

後ろから翔の声がした。
「お…おはよう!」
「なんだよ…やけに元気ねぇじゃん。なんかあった?」

「なんでもねぇよ!」

俺の悩みはひとまず終わりにした。


とある昼休み―

「今年は寒いよな」
「あぁ、寒い寒い」

弁当のおかずをつつきながら話す。
「翔はさ!冬休みにデートしたの?」

「あ?あぁ…したよ」
ちなみに翔はパンを食べていた。

「紀和は楽しかったか?」
「え?俺?」

少し目を丸くしてしまった。

「うーん…楽しかったよ」
「なんだよ!紀和!アタシとじゃあ不満だった?」

「違う違う!いきなり聞かれたから…」

しかも、学校の中で聞かれるなんて。
他の人も聞いてるかもしれないのに。

「ハハハ!心配してんの?」

「え?」
「いや…お前の顔が少し…」

大悟に言われると…
俺は、少し笑顔を戻した。
「そっか!」

そして、俺達は次の授業を受ける。

「国語か…眠たいぜ」

「まぁまぁ、今日はこれで終わりじゃない!」

翔は俺を宥めている。
その横で、大悟は既に寝ていた…


そして、授業が終わり、放課後。

「先生…ちょっと」
「え?」
大悟は掃除中、担任と話していた。

(なんだ…?大悟の奴)

「紀和!翔!先に帰ってていいぞ!」

「あ?あぁ…」

そして、二人きりで一緒に帰った。

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