《MUMEI》 平穏続かずその後、祐は普通の生徒 特に女子から白い目で見られていた。 しかし、祐には、真相を知る葛西先輩と俺、それに安藤先輩以外にも 仲村祐の人柄をよく理解して、友達を続ける生徒も数人いた。 そのせいか、俺が知る限り、祐はいつも楽しそうだった。 (良かった) 穏やかな気持ちで、一月は終わった。 そんな気持ちが突然乱れたのは、二月九日・土曜日の朝だった。 ピンポーン 「はいは〜い」 学校は休みだが、俺は普通に起きていた。 ガチャッ 「やぁハニー」 (え〜と…) 「よう、… …ダーリン?」 俺は以前言われたから、一応相手に合わせてみた。 「さ、行こうか」 「ど、どこへ?」 腕を引っ張られ、俺は慌てた。 「見ればわかるだろう?」 「…どっか行くのはわかる」 俺は、大きなキャリーバックを指差した。 「バレンタインラブラブ旅行だよ。 『行くから』って言っただろう?」 「いや、バレンタイン普通十四日だし! ラブラブ旅行って意味わかんないから」 「電車乗れるぞ」 「それは嬉しいけど」 「だろ?」 そうして、突然現れた忍は俺を部屋から連れ出した。 前へ |次へ |
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