《MUMEI》

ダッ ダッ ダッ ダッ…

一歩一歩、地面を踏み締めるように、
力を蓄えるように、


最初の数歩は前方に大きくジャンプして行く。


そして…





ダッ ダダダダダダダ…

足の回転を早くする。


やがてトップスピードに入った。



ダダダダダダダ…

身体が風に乗った瞬間、





ダンッ!!!



勢いよく踏切台を蹴った。




初夏の暖かい風の中で、


俺の身体は大きな弧を描いていた。







この感覚がたまらないんだ。


ほんの一瞬だが、その一時だけが唯一自由になれる気がするからだ。


この開放感……最高!!


だが、すぐに俺の身体は柔らかな砂場へと派手に着地した。





結果は………!!?

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