《MUMEI》

「どうしたんですか?」
なぜ周哉が驚いているのか解らない秋穂。
固まってる周哉に直人は、
「だから言っただろ。絶対驚くって」
と言った。
そして、
「さあ二人とも、どうぞ入って」
二人を家に入れた。
一方周哉は、
(な、何で麻耶が・・・?あれ?麻耶じゃなくて秋穂ちゃん?で、でも麻耶の顔してて・・・。あれ?あれ?あれ?)
パニクっていた。
「周哉、何してんだ?早く来い」
直人の呼びかけに、周哉は頭の上に?を浮かべながら玄関を閉めた。

「では、新しい家族の祝福を祈って、かんぱ〜い」
「「「かんぱ〜い」」」
リビングで席に着いた4人は、直人の言葉で乾杯をした。
周哉も落ち着きを取り戻している。
(それにしても、そっくりだよな〜)
落ち着いた周哉は、前の席に座っている秋穂の事を見て思った。
(世の中ってのは、不思議に出来てるねぇ〜)
そう思っていると直人が、周哉に言ってきた。
「そうそう周哉、明後日から、秋穂ちゃんもお前と同じ学校行くから、その時は宜しくな」
「え?あぁ、わかった」
周哉が返事をすると、
「宜しくね。周哉君」
秋穂が言ってきた。
「い、いや、こちらこそ」
同年代に対しての言葉使いが、少し丁寧になる周哉。
(麻耶の顔でお兄ちゃんじゃなくて、周哉君って呼ばれると、何か調子狂うな〜)

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