《MUMEI》 気まずいような心地よいような沈黙の後――… ――…コホン…。 ドラミは咳払いをひとつすると『どこでも窓』の説明を始める。 「これは早い話、どこでもドアを窓にしたものよ。 …世界中どこでも、窓から見た景色を映し出せるの。 …勿論、窓の外から見た部屋の中の景色を見ることだってできるわ。」 「ほぅ……では、これで出来杉の部屋を覗くのですね…?」 「えぇ……でも“覗く”という表現は正しくないわ。 …正確には、この窓と出来杉の家の窓が表裏一体化するの…。 …つまり、こちらから見えれば、向こうからも見えてるってことよ。」 前へ |次へ |
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