《MUMEI》
傍にいるから
「じゃあ後は宜しくね」
平山さんは俺に向かいそう言うと受付前を後にした。
病院の出口を出たところを何となく見届け、俺は惇の腰にそっと手を充てた。
「…帰るか、そろそろ飯食えるだろ、どっか行こう」
「うん、流石に腹減ったかな…」
自然な笑顔で俺を見上げる惇。
それは本当にいつもの惇そのもので…。
俺も自然に笑い返し、腰をポンポン叩いてから、二人病院を出た。
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