《MUMEI》 僅かな期待「桐海球堂の勝利!! ゲームセット!!」 この言葉を何度聞いただろうか。 一人の少年が試合を終えた今に至っても、 一向にマウンドを降りようとしない。 それはアイツを待っているため。 「颯ちゃん……。」 あの事件以来、二度とこの球場へ来ることは無かった。 今はどこかに引越したと聞いているが……。 それは、何のためなのだろうか。 もう、俺とは会えないと言う意味なのだろうか。 ……。 「ナイスピッチー!!」 「!??」 ふと観客席を見る。 もしかして……。 な訳無いよな……。 この時の風はやけに冷たかった。 前へ |次へ |
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