《MUMEI》
僅かな期待
「桐海球堂の勝利!!
ゲームセット!!」


この言葉を何度聞いただろうか。


一人の少年が試合を終えた今に至っても、
一向にマウンドを降りようとしない。


それはアイツを待っているため。


「颯ちゃん……。」


あの事件以来、二度とこの球場へ来ることは無かった。


今はどこかに引越したと聞いているが……。


それは、何のためなのだろうか。


もう、俺とは会えないと言う意味なのだろうか。


……。


「ナイスピッチー!!」



「!??」


ふと観客席を見る。


もしかして……。





な訳無いよな……。


この時の風はやけに冷たかった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫