《MUMEI》
布団の上
「あ、…れぇ?」


目を開けると、星空ではなく天井が見えた。


「倒れたんだぞ」

「悪っ… て、何で裸!?」

目に飛び込んできた全裸の忍に俺は驚いて起き上がった。


よく見ると自分も全裸だった。


しかも、俺達は今、布団の上にいた。


(ま、まさか、俺、忍と!?いやいや!)


体に異変は無かったので、俺は考えを否定した。


「お前を湯から出す時に、浴衣が濡れた」


そう言う忍が下着をはいていた事がわかり、俺は少しだけ安心した。


「それに、俺にお前の着替えをしろと?」

「自分で着る!」


俺は、布団の横にあった浴衣を掴んで引き寄せた。


「…一体何をしてたんだ?」

「そ、それは」


(泳げなくて意地になって練習してたなんて言えるか)


「そうか、そんなに襲われたいか」

「わ、ちょっ…」


汗ばんだ肌と肌が触れ合う。


「…どうする?」


(これはヤバいだろ)


忍が触れてきたのは俺の胸と、反応しない下半身だった。


「笑うなよ」


俺がそう言ってから話を始めたのに


「笑ってるだろ!今、絶対!」


俺から離れた忍はうつ向きながらも肩が震えていた。

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