《MUMEI》 「タイミングわりぃよ美咲。」 拓史がつまらなそうに拗ねた。 美咲はちらっとこちらを見ただけで、驚きもせず、コーヒーをいれる。 「仕事はどうした…」 美咲が言った。 「…すみません。」 達也はズボンを履きながら謝った。 「達也はいいよ。まだ入ったばかりだし…。そもそも拓史と組ませた私が悪かったカラ。」 すると機嫌を損ねた拓史が反論しだした。 「俺は達也とじゃねぇと仕事しなねぇから!!」 それを 「どちらにせよ仕事なんて少しもしてないでしょ」 と美咲がきっぱり言い返す。 「ただの浮気調査じゃん!」 「事務所潰したいの?評判下げるなら調査しなくていいよ。」 「俺の事務所だろっ!!」 「あなたのせいで仕事失くなったら困るのは、あなたじゃなくて、みんなでしょ。あなたが振り回してる人の身にもなりなさい。」 そーだそーだ。 いくら美咲さんに反論したって、拓史が勝ったためしなんてない。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |