《MUMEI》

(…どうする?


この勢いはさすがにヤバい…


そろそろ動かないとマジに負けるぞ…


でもな…


クロさんは黙って見てろって言うし。


かといってこいつ(安本)じゃ指示は出せね〜だろ。


俺が動くしかないと思うけど…)


翔太は安本に指示を出そうとした。


そろそろレギュラーに変えろ、


と。


しかし、


視線を感じる


それは、クロの視線だった。


(…なんすか?


クロさん?)


(待て。)


クロは翔太にサインを送る。


(待てって…


もう逆転されそうじゃん…)


翔太が感じるように、


それは選手たちも感じていた。


「ちょ先生!!


俺たち出してくださいよ!!


マジに負けますよ!?」


「ナイッシュー!!」


西条ポストが得点を決める。


「先生!!」


「そっ、そうだな!!


よし、


じゃあ…」


(くそ!!


信じますよクロさん!!)


「ちょっと待て!!」


「なんすか翔太さん?」


「…交代はなしだ。」


「は!?」


「…なしだ。」


「負けますよ!?」


「…ダメだ。


待て。」


試合時間残り12分。


点差は2点。

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