《MUMEI》

次の日、学校に行った周哉は、昇と春と奈々に昨日の事を話した。
もちろん、秋穂の事も話した。
「それでさ、その秋穂ちゃんが麻耶にそっくりなんだよ。まじで」
しかし、
「何言ってんだよ、周哉。有り得ねえだろ」
「そうだよ〜。大げさ過ぎるよ〜」
「嘘はよくないよ、周哉」
全然信じてくれなかった。
「いや、本当なんだって。嘘じゃないんだよ」
周哉は反論するが、三人は相手にしてくれない。
「まあいいさ。明日になれば全部解るんだからな」
「は?どうゆう意味だよ」
周哉のその言葉に昇が反応した。
「実はさ、明日から秋穂ちゃんが転校してくるんだ。宜しくやってくれよ」
周哉はそう言うと、
「じゃあ、明日になれば、周哉が嘘ついてるかどうかが解るんだな」
と昇が言ってきた。
(そう言ってられるのも今の内さ。みんなの驚く顔が目に浮かぶぜ)
周哉は心の中で笑う。
明日が少し楽しみになった周哉であった。

前へ |次へ

作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
ケータイ小説サイト!
(C)無銘文庫