《MUMEI》

「俺まだ話し途中だから」
ニッコリと微笑みながら俺を見下ろす誠。そして俺を背後から露骨に抱きしめだした貢。
通り過ぎる人達がちらりと俺達を見ていく。
「あ、あの…」
「聖はもう俺のだから、…諦めて」
背後から静かに響く貢の声。まるでそれは嵐の前の前兆の様で
「分かってるよ、一目見ればね」
更に微笑む誠。
「つか、日高に聞いてたから?知ってたし…」

「…へ?」

「いや、ちょっと…俺聖に頭にきててさ、さっきのは嫌がらせ?」

−−−−は?

「嘘だよ、好きだっつ〜の、んな訳あっか、俺じゃあそんならとっくの昔にモノにしてるし…」

前へ |次へ

作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
ケータイ小説サイト!
(C)無銘文庫