貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い

《MUMEI》
プロジェクト「VAL」
眩しい朝の日差しがカーテンを通して部屋に差し込む、清々しい鳥達の鳴き声、明朝の新聞配達…
そんな音で俺はそっと目を覚ます。
…いつもと変わらない、朝。
寝ぼけた眼をこすり、起き上がって背伸びをする。
(携帯のアラームより早く起きちまったかな…)
俺は柴空 芥 19歳ながらも親父の遺伝子のおかげか、機械工学の天才として、NMS開発研究所に勤めてる。
ホントは大学でのんびりキャンパスライフを楽しみたかったが、何の因果かそうはさせてくれないらしい。
特に最近は、何やら研究所の連中もピリピリしてるし…
ボーっとしていると、着信が入った。
(親父…?)

ピッ
「…もしもし」
「カイ、お前に例のプロジェクトに参加してもらうことになった」
親父は単刀直入に言い放った。
「は?いきなりなんだよ、例のプロジェクトって」
「この会話はガル・ズィーに盗聴されている可能性がある。切るぞ」
「ガル・ズィー!?ちょっと待てよ、いきなり過ぎてわけが」
プツッ…っと、俺の反論を許さず、親子の会話はそこで終わる。
「ふざけんなよ、なんなんだ一体…」
朝一から親父は混乱させてくれる…
最悪の目覚めとなったが、とにかく確認しなければならないために俺は部屋を後にした。

リビングで軽く朝食を取りながら、テレビの電源を入れる。
・・・どこのニュースも朝からガル・ズィーの破壊活動のことしかやっていない。
最近は明るいニュースなど、一つも入ってこなくなってしまった。
「選民思想による人類の統治と言っちゃってさ、やってることはテロリストじゃないか」
さっさと身支度を整えた俺は、電源を落とし急いで研究所へと向かった。

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