《MUMEI》

「もしかして誠君っていい人?」

「もしかしなくてもいい人だよ、気い利かせてずっと聖ん家行かない位だし?
つか誠でいいよ」

同じ位の身長の二人は同じ位微笑みあいながら俺を無視してメアド交換まで始まった。
人が嫌な汗出してんのに、俺の抜けている話しまで始まって。
「聖はいっつもボサッとしてるから小学生の時、マンホールに落ちた事があって」
「あ、それおばさんに聞いた、泣き止まない泥だらけの聖おぶって家まで送ったのって誠の事?」

「そう!もう涙と鼻水で酷い顔で…」

「あ〜もう!なんでその話し出るんだよ!一番の人生の汚点なのに〜!!」

ムキになって二人に食いかかると貢は俺の頭を愛しげに撫で回しだした。
そんな俺達を静かに見守る誠。

つい、恥ずかしくて誠に黙ってたの今更ながら後悔してきた。
と、同時にいい友達持ったなって、心の中がほかほかにあったかくなった。

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