《MUMEI》 ドサッ 俺はなんとか記録会を終えて帰路に着いた。 そして倒れて込むようにして、自分の部屋のベッドに寝転がる。 ………どれぐらい経ったろうか。 気付けば夕焼けに染まっていた空は暗かった。 ズゴゴゴゴゴゴ…… いきなり薄暗い部屋に着信音が鳴り響く。 あ、蓮翔ちゃんからだ。 俺はスポーツバックから徐に携帯を取り出し、通話ボタンを押した。 「よう!颯ちゃん!!」 いつもと変わらぬ明るい声に安心する。 「ん。どうした?」 「いやぁ、ちょっと颯ちゃんの声が聞きたくなってぇ。」 蓮翔ちゃんの声が甘ったるくなった。 「っきっしょ!! お前ホモかっ!!!」 「ハハッ!冗談だって!!!」 「なんか変な汗出てるんだけど。」 「ぅあハハハハハハッ!!!!」 「笑うなよっ元は蓮翔ちゃんだろ!?」 「っククク…わりぃわりぃ」 「で、なんか用?」 「あー明日のこと。」 あ、そうだ。 試合の応援に来られないの伝えないと…… 「あ、えー……」 「まさか忘れてたのか?!」 どう言おうか迷っていると、 蓮翔ちゃんが俺の声を遮った。 「良かったー。電話しといて正解だったぜ!!」 「え?」 「明日の午後1時!! 忘れんなよ!!!」 「いや、そう言う意味じゃ……」 前へ |次へ |
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