《MUMEI》
走り出す
「はぁ…


はぁ…」


深夜。


まるで人気のない道を、


(いつぶりだ?)


走る者がいた。


(ランニングするなんて。)


「はぁ…


はぁ…」


猪狩圭吾。


元赤高ハンド部の猪狩は、


月末に控えた試合の為に、


ランニングを行っていた。


(それにしても走れなくなったな…。)


1度スポーツを離れたことのある者が味わう現実を、


今まさに猪狩は味わっていた。


(…けどあいつに負けるわけにはいかね〜。


俺の方が…、


俺の方が上なんだ…。)


表情に出すようなことはなかったが、


猪狩は試合を、


(…早くやりて〜な。)


心待ちにしていた。

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