《MUMEI》

私は制服の上に羽織っていた、カーディガンを脱いで、成原さんの肩にかけた。

「なに?」

「それじゃあ、歩けないから着て。」

「・・・・・・。あのオッサン、変態だったの。無理矢理みたいなのが好きらしくて、いきなり縛られて、、、このざま。」

私は衝撃的な話しに、返す言葉もない。

「ヤバイと思って、急所思い切り蹴ったら、失神しちゃってさ。」

彼女はいとも誇らしげに話した。無事でいたからいいものの・・・。

「・・・何でこんなことしたの?」

そう尋ねた瞬間、ふと視線に気付き、振り返った。まさか蓮見先輩に見つかってしまったのかと、恐怖に震えた。

「探したよー。」

「・・・洋介さん?」

私はその人が洋介さんだと分かり、胸を撫で下ろした。成原さんは『誰?』と言う感じで、洋介さんを睨んでいる。


「とにかく、俺の車まで戻ろう。奴らが追って来るとヤバイから。」

「成原さん。大丈夫だよ。洋介さんは、名波先生の友達だから。」

警戒している成原さんの手を、今度は私が引き、洋介さんの車まで向かう。

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