《MUMEI》

「昨日見たかよアレぇ!」
「見た見た!!クッソ笑ったよなぁ!!」

「お、光司、ういーす」


いつものメンバー。
まだいない俺の席の周りでいつもどおり騒いでいた。

「ういーす」










「メッチャいい天気〜!!」

「屋上で飯とか久々じゃね??光司が言うのも珍しいけどなっ」


昼休み、朝のように俺の周りに集まって弁当を食おうとしてきたコイツラを連れて屋上にきた。


大事な話を、するために…












「…今、なんつった?」

「……」


家族と同じ反応に、少し笑えた。

「言葉どおりだ。
昨日、病院で言われたんだ。



がんだって。」






最初は「冗談だろ!」って笑っていたコイツラも、俺の態度で段々信じてくれて。

けれど、笑いのなくなったその顔たちを見るのが、少し胸が痛く感じた。





「嘘だろ…一ヶ月とか、」
「俺ら、まだ18だぞ…?」
「っ…」


「ごめんな、ついこの間、約束したのにな…」




そう。
俺ら全員、春から同じ大学に通うことになっていた。
そして約束した。
ずっと、一緒に野球を続けると…





家が近所で
幼なじみ。
ずっとバカやってつるんできた。

彼女も作らず、
汗流して野球を続けてきた。


辛いときも苦しいときも、
嬉しいときも楽しいときも
全部分かち合ってきた。


それがずっと、続くと思っていたのに…








「約束っ…!!草野球作って、死ぬまでボール触ってようって約束、…こんな早く破るんかよー……」

「バカ光司……」

「くそっ……」










嬉しかった。

目の前で泣くコイツラを見て思った。




俺の人生、コイツラに会えて本当に良かった。

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